皆様こんにちは。福岡市中央区の薬院河島脳神経外科クリニック院長の河島です。
本日は外科医と手術についてお話ししたいと思います。
外科医にとっての手術とは
外科医と内科医の大きな違いは手術をするかしないかです。
病気を医師個人の力で取り除き、患者を治すことができるのが手術です。
うまく行った時は非常に高い達成感や満足感があります。
もちろん、実際には個人の力というよりは同僚医師、コメディカルを含めた外科治療チームの総合力によるところが大きいです。
内科医よりも直接的に患者さんに関わっていくことから、外科医は建築家が建物を造ったり、
デザイナーが装飾品を制作したりするのと似た心境を持つことがあり、「匠の技」を極めたいと願います。
外科医は手術をやりたがる
外科医は切りたがりです。主な理由は二つあります。
一つは経験を積むためです。外科医にとって一番快適な状況は、難しい手術が出来て、その成績が良いことです。
患者さんに喜ばれますし、他の外科医の賞賛も受けます。すなわち技を極めた「匠」です。
そのためには数多くの経験が必要になり、簡単な手術から始まって、難易度の高いものへ徐々に進みます。
一流になるためには、何としても手術経験を増やしていかなければならないのです。
また、別の側面もあります。それは病院経営と関わる問題です。外科の手術料は保険で規定されていますが、一般的に高額です。
脳外科手術の場合は一件100万円を超えるものもあります。外科手術が多ければ、病院経営も潤います。
医師個人には関係無いと思うかもしれませんが、雇われている身ですので経営側の評価は常に気になります。
病院によっては外科手術に対して外科医にインセンティブ(現金など)を支払っているところもあり、
手術に対するモチベーションを意図的に上げています。
また週刊誌などでは各病院がどれほどの手術を行なっているかをランキング形式で発表したりしています。
手術数が多ければ集客に貢献すると考えている医療者も存在しています。
このような時に起こりやすい状況は想像に難くありません。不必要な手術まで患者さんに勧めてしまうことです。
手術を受ける前に
大多数の手術は受ける必要があり、主治医の説明を信頼して良いと思います。
ただし、中には不必要と思われる手術が行われているのも事実です。
つい最近も不透明な状況で手術が行われ多数の死者が出て、病院に外部調査が入ったというニュースがありました。
カルテ記載も不十分で手術に至った経緯やその後の経過が不透明だったとの情報もあります。
脳神経外科領域の手術は大変繊細なものです。
外科医は病気を治すだけでは不十分で、手術が終わった後に患者さんが元通りの生活に戻れることを要求されます。
手術がうまく行っても術後の療養期間に予期せぬ合併症が生じる事もあります。
これから手術を受ける患者さんはこれまで述べたことを踏まえて、本当に必要なものかどうか理解した上で
手術に臨んでいただきたいと思います。
当院ではセカンドオピニオンも受け付けていますので、手術や治療に疑問を持った方はお気軽にご相談ください。
