「昨今の医学生」について | 福岡市の脳神経外科「薬院河島脳神経外科クリニック」MRI検査・脳ドック等

「昨今の医学生」について

医学部

皆様こんにちは。福岡市中央区の薬院河島脳神経外科クリニック院長の河島です。本日は昨今の医学生についてお話ししたいと思います。

典型的な医学部受験生像

今年の3月まで私大医学部教員として勤めていました。そのため、毎年1−2月は入試面接官として医学部志望者にインタビューを行ってきました。大学は関東にあって比較的学費が安かったので優秀な学生さんが多く受験していました。受験生の典型的なパターンとしては関東圏もしくは地方大都市圏の中高一貫校卒、裕福な家庭、明るい性格といったところでしょうか。他大学を卒業して、社会人経由で医師に再チャレンジという受験生も散見されました。
私大は学費が高額なため上記のような受験生の印象が強いですが、国公立大学の医学部も似たような傾向があります。やはり教育費に余裕のあるご家庭のほうが子供さんの医学部入学にアドバンテージを持っている印象です。

卒後の進路選択

私が医学部を卒業するときは、専門科へ直接就職しました。純粋に脳神経外科に興味があったので選択し、将来性とか長時間勤務の辛さとかは当時あまり考えませんでした。30年近く経過しましたが、その選択に間違いは無かったと思っています。
2004年に新研修医制度が始まり、医学部を卒業した初期研修医は直接専門科に入らず、最初の2年間は色々な科での研修が義務化されました。研修医の一般診療能力向上には役立ちますが、専門科の選択という点では問題が生じました。就職先を決める前に現場を知ってしまうと、場合によってはそれまで抱いていた興味が無くなってしまいます。居心地が良くて、労働条件の良い診療科へ向かう流れはこの頃から加速したと感じています。実際に急患が多い外科や救急科、産婦人科、小児科などを志望する研修医が減少しています。

将来の問題点

2024年度より医師の働き方改革も始まり、特に救急患者を扱う診療科でのマンパワー不足が懸念されます。命に直結する現場だけに、不十分な受け入れ態勢では国民の納得を得られないと思います。今後は医学生や研修医が積極的にこういった診療科を専攻する環境作りが大事です。重労働が求められる診療科へのインセンティブ(待遇差別化)や特定診療科の医学部学生募集などが検討課題になります。