1980年代の大学受験事情 | 福岡市の脳神経外科「薬院河島脳神経外科クリニック」

1980年代の大学受験事情

時事

皆様こんにちは。福岡市中央区の薬院河島脳神経外科クリニック院長の河島です。 本日は私が経験した大学受験についてお話ししたいと思います。

受験シーズン到来

1月も終盤になって受験シーズンが本格化してきました。愚息が今年高校受験で頑張っている姿を見て当時の自分を思い出しました。当時の大学受験事情についてお話しします。

1980年代の激動の大学受験

私は1988年に大学に入学しました。実はその頃大学入試では地殻変動のような突発的な事態が発生しました。1987年に大学入試改革があり、それまでの共通一次試験が廃止され新たにセンター試験が導入されました。共通一次世代では大学は本命の1校しか受験できませんでした。ところが、センター試験開始と同時に大学を2校受験できるようになりました。西日本に存在する大学はA日程校と呼ばれ、東日本に存在する大学はB日程校と呼ばれ、AB日程の併願が可能になったのです。究極的には東大と京大の併願が可能になりました。東大京大ダブル合格や、国立医学部ダブル合格など、今では考えられない事態が発生しました。私が大学へ入学して初めて行ったクラスメートとの会話は主に併願校の話題でした。「医科歯科蹴ってきた」、「東大理IIと迷ったけどこっち来た」など当時の友人たちの勇ましい発言はよく覚えています。私の医師になってからの友人の一人に東京出身で京大に進んだ優秀な先生がいます。ある時「東京出身なのに何で京大に行ったの?」と質問したら「理III落ちたから」と言われ、しばし沈黙の後に「そうだったねー、あの時は二つ受けられたもんねー」と笑い合ったことがあります。この制度下で一番プライドを傷つけられたのは京大だったのではないでしょうか。東大京大ダブル合格後に京大への入学辞退者が大量に発生して、多くの受験生が東大を選んだことは予想外だったでしょう。これが原因か分かりませんが、この2校受験システムは2年間で廃止されました。基本的に本命校は1校しか受けられないシステムとなり、多少の改変はありますが現在まで継続されています。